会社、とくに事務部門にいると、まず間違いなく出くわすのが
「理屈っぽくて、やたら細かい上司」
ではないでしょうか。
私もこういうタイプが本当に苦手で、何度叫びたくなるのをグッとこらえたことかわかりません。
話を前に進めたいときに限って、データの細かい数字が微妙にあってないとか、なんでこの資料はこの順序なのかとか、本質的でないことばかりをくどくどと言われると本当に腹立ちますよね。
挙句の果てには、Wordのインデントがあってないやら、フォントが違うやら、もはや嫌がらせかと言いたくなるようなことまで・・・。
腹が立っているうちはまだいいですが、下手をすると
「もしかして、こんなに言われるってことは、本当に自分はダメな人間なのではないか・・・」
と弱気になってしまいます。
ここでは、そうしたやたら理屈っぽい・細かい上司や同僚への対処法をお伝えしていきます。
実は、こうした人達から身を守る方法は割とシンプルなものが多いので、それを踏まえて対処すれば被害を最小限に抑えられますよ。
Contents
理屈っぽくて細かい上司への即効性の高い対処法
あえて、資料は未完成のまま早めにもっていく
私がよく使っていた対処法はコレです。
理屈っぽい人や細かい人は、とにかく人のアラを探すのが大好き。
何か一言もの申すことを生きがいにしているといっても過言ではありません。
こういう人達にはまず自分の「かくあるべし」という基準があるので、その基準が何なのかを知る上でも、さっさとダメ出しされたほうが気が楽です。
自分ひとりの力で、一発OKの出るカンペキなものにしようといくらがんばったところで、理屈っぽい上司は
「いや、こことここの整合性がとれてない」だの、
「ここでこういう言い方をしているのはなぜ?」だの、
文句を言うことが自己目的化した「オレのロジック」ワールドが炸裂します。
それを避けるためにも、プレゼンや稟議書など、理屈っぽい人に見せるものは大枠だけ一気に作ったらさっさと手を放してしまいましょう。
60点くらいの出来でじゅうぶんです。
いったん方向性がすりあえば、その後の修正においてゴチャゴチャ言われる可能性はうんと少なくなります。
なぜかというと、人間には「一貫性の原理」という心理があり、自分で一度言い出したことと矛盾することを後から言いたくない・・・という気持ちが働くようにできています。
なので、先に「これはこうだ」と理屈っぽい上司に言わせてしまえば、あとから方向転換することは自分で自分にダメ出しするのと同じなので、文句が出にくくなる、というわけです。
ぜひこの「一貫性の原理」は覚えておきましょう。即効性が高いのでおススメです。
理屈のパターンを見抜く
次は少しだけ高度なワザです。
先ほど、理屈っぽい上司には「かくあるべし」というルールが存在している、というお話をしました。
理屈っぽい上司は、理屈が好きであるがゆえに、自分の好きなパターンに固執しがちです。
それを見切ることができれば、そのパターンにしたがった企画書や稟議書を作ることでつまらないダメ出しや「なぜなぜ攻撃」にさらされずに済みます。
たとえばですが、プレゼンの資料をつくるときには日本式の「起承転結」型を好む人と、欧米式の「結論⇒理由⇒事例」型を好む人がいます。
どちらのロジックが好きなのかを見極めて資料をつくると、理屈っぽい上司が心地よいと感じるパターンにはまるので、方向性を最後に大幅変更させられたりする可能性はかなり低下します。
はじめから頼りきってしまう
もし、理屈っぽい上司が若干パワハラの気があったりした場合は、思い切って最初から「すいません!ご指導ください!」と頼ってしまうのも手です。
「なんだよオマエ、こんなこともできないのか・・・」
と言われるかもしれませんが、この手の上司は頼りにされるとまんざらではありません。
自分の理屈を思う存分語れることで自己愛が満たされるからです。
上司の自己愛なんて、こちらからするとホントどうでもいいのですが笑、それでさっさと仕事が片付くならこんなありがたいことはありません。
しかも、これがうまくいくと上司の機嫌もよくなるというおまけつきです。
いつも理屈っぽい上司とぶつかってしまう・・・という人や、
あの人何考えてんだかまったく読めない・・・という上司がいて悩んでいる人は、一度試してみると違った展開があるでしょう。
前にOKされた資料を再利用する
あまり露骨にやるとまずいですが、理屈っぽい上司からダメ出しをかわすには以前OKされた資料の再利用はぜひ行うべきです。
前の資料を見返してみることで、ポイントも整理しやすくなりますし、何より当の上司自身が「これでいい」と言ったものですから、それと同じような構成であれば面と向かって反対しづらいはず。
これも先ほど紹介した「一貫性の原理」の応用です。
余談ですが、こう考えると官僚が前例踏襲ばかりしているのも無理ないですね。
どうしても理屈っぽい上司とうまくやれないなら、転職するのも選択肢だ
そうは言っても、なかなかうまく行かないんだよね・・とおっしゃるあなたに、今回は少しだけ私自身の話をさせてください。
社会人5年目ころから数年間、とんでもなく細かくて理屈っぽい上司に仕えたことがありました。
そのとき同僚だったわたしのひとつ上の先輩は、度重なる上司のダメ出しに耐えかね、ある日突然会社を去ってしまったのです。
その先輩は大学時代、競技スキーでならした根っからのスポーツマンでした。
すごく面倒見のいい人だったのですが、先輩の体育会系のノリと、内勤一筋20年くらいだったその上司とはまったくソリがあわなかったのです。
先輩はいつも、なんやかんやと上司に問い詰められては説明に四苦八苦し、毎晩夜遅くまでダメ出しされた資料と格闘していました。
そして、明るかった先輩はいつしか口数も少なくなり、気がついたら辞めていた、という感じで職場からいなくなってしまったのです。
そんな中、ある日突然先輩から飲みのお誘いがありました。
ちゃんとやっていけてるのかな・・・と心配しながら会いにいったのですが、先輩は新天地で見違えるほど元気になっていました。
あの頃の青白かった顔色や、クマができてくぼんだ目元もどこへやら。
すっかり、あの昔の陽気な先輩に戻っていたのです。
挨拶もそこそこに、
「あのタイミングで転職って、タイヘンだったんじゃないですか・・?」
と訊いてみたところ、先輩は笑いながらまずこう言いました。
「なに言ってんだよ、あそこでずっと耐えてるほうがよっぽどタイヘンだったって。メンタルがやられる前に思い切って、本当によかったと思ってるよ。」
たしかにその通り。
当時を思い出しただけで今でも胃のあたりが締め付けられる気がします。あの緊張感が脳裏をよぎり、思わずビールを口に流し込まずにはいられませんでした。
そこに先輩が一言続けました。
「ま、逆に、あそこまで追い込まれたから転職に一歩踏み出せたのかもね。でもさ、やってみるとわかるけど、転職するのなんて思ってるよりずっとカンタンだよ。ホント、案ずるより産むが易しだね。」
幸か不幸か、わたし自身は会社に残りました。
ただ、先輩の何かから解放されたような、楽しそうでいて安らぎのある表情を思い出すにつけ、ちょっとうらやましいなと思うのも事実。
そんなこともあって、私もとりあえず転職サイトに登録しています。
>>>リクナビNEXT
どうしても耐えられなくなったら、ここからスタートすればいいかなと。
そう考えると、多少のことがあっても心は軽くなりますよ。
まとめ:理屈っぽい上司の心の裏側を読んで対応しよう
理屈っぽい上司というのは、基本的にガンコというか、これはこうだ!という思い込みが見え隠れするところがあります。
自分のロジックに少しでも沿わないところがあると、そこをネチネチとついてくるので始末が悪いですね。
逆に、そこさえ満たしてあげれば特に何もいってこないのもこのパターンの上司の特徴だったりします。
あまり真に受けすぎることなく、しなやかにかわしていくのが、理屈っぽい上司に対する一番の処方箋です。
どうしてもこれはひどい!と思う場合は、私の先輩のように思い切って転職するのも選択肢です。
この記事を読んでいただいたあなたの顔も晴れやかになれば幸いです!
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